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斧折樺-オノオレカンバについて

斧折樺-オノオレカンバは、標高500M以上の山肌に根を張り、1ミリ幹が太くなるのに3年かかるという非常に堅い木です。この堅さゆえ、斧折れ(おのおれ)の名があります。自然林の中でも数が少なく、崖のような、土もあまりないような厳しい環境に群生し、また成長が遅いため植林もほとんどされず、貴重な木の一つとされています。昔は馬そりなどに。今日では、珠算玉や楽器(木琴)などに用いられ、古く万葉集では、「梓弓(あずさゆみ)」の名で登場し、宝物として天皇や朝廷に献上された歴史があります。

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〔日〕オノオレカンバ-斧折樺

Betula schmidtii Regel

斧折樺(オノオレカンバ)は落葉高木で高さ15m、胸高直径60cmに達する。葉は卵~卵状楕円形、有柄有毛、用材樹。材として、重厚な散孔材であり心材は赤褐色、辺材は淡黄褐色(原色図)、両材の区別は明瞭。肌目は緻密で道管の管孔はやや大きく多数存在しているが、中には数個が半径方向に接合してあらわれるものもある。柔細胞は年輪界のものは顕著であるが、その他に接線状の細胞としても木口面にみられる。放射組織の断面は板目面で認められる程度のものであるが、柾目面には顕著にあらわれる。


気乾比重0.94、絶乾比重0.91。内外で重く狂いは割に少ない。曲げ弾性係数17.2×104kg/cm2、圧縮強さ720kg/cm2、曲げ強さ1070kg/cm2。内外で強くかつ硬い材。樹皮の色は黒褐・灰褐・暗灰・褐暗色。亀甲状の割れ目ができる。若木では平滑、紅褐色、横長の皮目が多い。


材は施作に適し、器具(軸や柄類・木型類・橇・台類・ブラシ木地・木魚・算盤枠・ステッキ・細工物)、建築(洋風建築造作・土台・敷居)、家具(洋家具)、船舶(櫂)、車両(車軸・彫刻、薪炭などに、樹皮は壁下地などに用いる。

斧折樺-オノオレカンバだからできる形を求めて

長い年月、厳しい気候と風雪に耐えながら非常にゆっくり育つ斧折樺-オノオレカンバは、その年輪も当然細かく緻密なもの。堅く強く育った斧折樺オノオレカンバは扱いが難しい反面、その頑強さ故に、細く薄く加工しても強度が保たれ、シャープな印象を長く保つことができます。強度上不安が残るため、一般的な木製品ではやや厚ぼったい雰囲気が残る製品も、オノオレカンバであれば思い描いた繊細なフォルムへ仕上げることが可能になります。酢桃工芸ではこの特徴を活かして、美しく、機能的で、末長く愛用いただける生活道具をお届けできるよう日々研鑽を積んでまいります。

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